『爆弾』あらすじ感想 著者：呉 勝浩　犯人らしき男の異常性がもはやホラー

『爆弾』

『爆弾』どんな本

東京が舞台のミステリー小説です。

ストーリーは、見た目はちょっととぼけた感じの中年男（スズキタゴサク）が、

たかが些細な傷害事件で警察に連行される、というところから始まるんです。

警察は、この男をただの酔っ払いと見くびっていたんですけど、

取調べの最中、男が「十時に秋葉原で爆発がある」と予言します。私は超能力がある、と。

こんな予言をしたところで、誰も信じない。。。

でも、その直後、予言通り秋葉原の廃ビルが爆発するんです！

それだけじゃなくて、この男、

さらに「ここから三度、次は一時間後に爆発します」と言い放つんですよ。

警察は爆発を止めることができるのか、どうなのか。

この男が本当に爆弾魔なのか、それともただの狂言なのか、

それを追いつつ展開される、ノンストップのミステリー＋サスペンスです。

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感想

勿論、物語の展開は手に汗握る展開に引き込まれますが、

章ごとに主観となる人物が変わるので、登場人物の内面の描写も楽しみの一つ！

等々木刑事の自分でも知らない内面が浮き彫りになってくる様が印象的でした。

爆弾テロが事件として起きているので、スリリングな展開ではありますが、

一番の見せ場は現場ではなく取調室での、

スズキタゴサクという人物と類家（刑事）の駆け引き。

犯人と思われる人物のスズキは本当に心が読めるのでは無いか、

と思うような発言で刑事たちを翻弄します。

そこに向き合う類家という刑事もまた異質すぎる。

この異質vs異質が物語の面白さを一段階あげていると感じました！

爆弾魔の悪意に対して、警察がどう立ち向かうのか、

そしてスズキタゴサクの真意は？

どう展開していくのか、ハラハラドキドキしながら読むこと間違いなしです！